VOICE

岡山県倉敷市は、白壁の町並みが残る美しい街です。

今回、てのひらぼせきIL(万成石)をご購入いただいた佐藤さん(仮称)は、この街で開業医を営むお医者さんであり、また、SMOWメンバーのお父さんのご友人でもあります。

ご購入いただいた経緯やその後のことなど、お話を伺ってきました。

てのひらにぴったりなカタチ

SMOW:てのひらぼせきILを購入した理由などがあれば教えてください。


佐藤さん: あなたのお父さんのところに遊びに行ってお酒を飲んでいたら、あなたも顔を出してくれてね。仕事の話になって、「今、こんなことしてるんです」とてのひらぼせきILを見せてくれて、最初は「これは何なんだろう」と思ったけど(笑)


SMOW:そうでしたね。


佐藤さん: 実は以前から、綺麗な石が欲しかったんです。というのも、自分が亡くなった時、お墓の上に小さな石を置くのが、一番理想的なお墓だと思っていたんです。自分のお墓は代々引き継がれてきたお墓があるんですけど、それとは別にモニュメントとして欲しかったんです。尊敬する小林 秀雄さん(1902-1983/文芸評論家)が、生前、自分がいつも見ていた石を、お墓にちょこんと置いていると聞いて、尊敬する人の真似ではないが、自分も欲しかったんです。


SMOW:そうなんですね。

佐藤さん: それで実際に手に持った時、手のひらにぴったりしたカタチで、形がお猪口の形に似ている。私が好きなお酒のね(笑)それから、重さが丁度いい。ズシリとくるけど、重すぎない。そして色も良い。3拍子も4拍子も揃っていて「これ、私、もらわないといけない(笑)」と、その場で即決しました。

私の”お気に入り”

SMOW:もともとお墓とは別に「生前から愛でる石」が欲しかったんですね。


佐藤さん: そうなんです。本当の理想は、瀬戸内海が綺麗に見える「王子が岳」というところがあって、そこにお墓が欲しかったんです。でもお墓はもうあるので、そこに、これを置いてみたい(笑)骨は入れられないけど、石としてね(笑)


SMOW: 確かに。自分の好きな石とかって、特別なものになりますね。


佐藤さん: またその時期、ちょっと精神的に辛い時期で、「これは、この石に全てを聞いてもらおう」と思って。誰にも聞いてもらえないからね(笑)


SMOW:そうなんですね。では今も落ち込んだ時などは石と会話するんですか。


佐藤さん: しますよ。良いことも、悪いこともね。


SMOW:実際、石と対話する時はどんな感じなんですか。


佐藤さん: 飲みながらもありますし、寝る前の布団の中でも。特に具体的な言葉がない時も「俺とお前は一緒だよ」って(笑)気に入ったものに想いを入れている感じです。みんな人形とかお気に入りのものとかありますよね。僕の場合、それが石なんです。一緒にも寝てます(笑)


SMOW:そこまで大事にしてもらえると嬉しいです。確かに、想いを入れていくっていう視点では石は良い素材なのかもしれないですね。もともと石は好きだったんですか。


佐藤さん: そこまで意識はしていなかったが、旅行とか行って綺麗な石とかあると思い出に持って帰っていました。その感覚ですね。実際、今も、輪島への旅行の思い出の石を机に飾っています。


SMOW:大事にしていたもの、その石が、自分が亡くなった後に誰かに引き継がれて残っていくのは素敵かもしれませんね。石は残っていくものなので。


佐藤さん: この間、娘が帰ってきた時に「仏壇の位牌の代わりに私がもらう」と言っていたんです。でも、僕も普通のお葬式をするつもりはないんです。葬式不要。香典不要。戒名不要。そうやって書いて残してあるんです。だから、位牌はないのかもしれないですけど。


SMOW:でもそうやって、どういう風にしたいか、本人の意思を家族が知っているのは安心ですね。


佐藤さん: 一番は、病院や施設で死にたくない。家で死にたいんです。(笑)

想いを入れる

SMOW:そういう要望は多い気がしますが、実際は施設や病院が多い気がします。やはり自宅で看取ることは難しいのでしょうか。


佐藤さん: 病気が原因での場合、病院でそのまま退院せずに、が多いですよね。でも最近は、在宅一人死亡に関する本なども出てきて、そっちの方向に動いてますよね。私の周りでも、在宅で末期がん患者を看取る専門医、なんかも出てきています。


SMOW:そういう制度ができてくると、「家で亡くなりたい」という想いも叶っていきそうですね。家族とも最後までコミュニケーションが取れそうですし。亡くなり方も選べるようになると良いですね。


佐藤さん: このILには、宗教的な部分も含まれている気がします。宗教の根本的な信仰心というか、「心を込める」といった部分が。


SMOW:「想い」って、「祈り」だったり「願い」だったりすると思うんです。てのひらぼせきILは、手の中に入れてお祈りする、その行為が想いを込めやすいのかもしれないですね。その機能的な部分が、心を込めやすく、心の支えとなっていくのかなと、今、お話を聞いていて感じました。


佐藤さん: 石は自然のものですよね。自然に神が宿るという考え方が日本らしく、和やかな信仰心な気がします。そこにあるそのものに「ありがとう」を伝えているみたいな感じです。


SMOW:その気持ちは、日本人は当たり前のように持っていますよね。心の支えとなるものが、何かひとつあると良いのかもしれません。もちろん、それがてのひらぼせきILだったら、尚、嬉しいですが(笑)。


佐藤さん: これは「今、ここに、いる」の「IL(いる)」ですよね。宗教の根本の根本だと思います。

SMOW:Sさんはご自身の分以外に、もう一つご購入いただきましたが、そちらはどうされたんですか。


佐藤さん: 闘病中の友人に送りました。私自身も大変な時に「てのひらぼせきIL」に想いを入れて、救われたので、その友人にも、もしよかったら…と送りました。ちょうど昨日、電話で取材のことを話したら、「心の支えになっているから、今も大事にしています。と伝えてください」とおっしゃってました。


SMOW:嬉しいですね。


佐藤さん: 医療だけでは、心の苦しみは取れないので。体が病気になると、心も病気になりやすいですからね。


SMOW::てのひらぼせきILが治療の助けになっているなんて、新たなILの可能性が聞けました。
今日はありがとうございました。

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